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番外編テキストあれこれ

GAMECUBEに触れて見て

どうでも良い導入部

日記の大半がパソコンネタで締められていることからわかるかもしれませんが、私はコンピュータ系のハードウェアが好きです。家庭用ゲーム機もまた特定の用途で利用するために開発されたコンピュータですので、当然ハードウェアそのものに惹かれることがあります。初代の白いPCエンジンにROMROMシステムを繋げただけでは飽き足らず、ROMROMアダプター経由でスーパーグラフィックスを接続して楽しんだりするのも、色々つなげれるのが楽しいからです(*1)。そんな視点も含めてGAMECUBEを観察してみました。

*1:PCエンジンソフトにスーパーグラフィックス対応のCD-ROMソフトが存在しないため、白エンジンかコアグラフィックスがあるのでしたらスーパーグラフィックスはROMROMシステムに接続せずに単体で運用したほうが融通が利きます。

どうして"GAMECUBE"と表現するのですか?

私(ALF)がGAMECUBEを正式名称のニンテンドーゲームキューブとかゲームキューブと表現せずに、GAMECUBEと表現しているのは単にキーボードへのタイプ回数が減るからです。また、ブラウザ上で表示された時もGAMECUBEの方が占有面積が減り固有名詞でテキストが間延びしたりしません。ではなぜGCと表現しないのですかって?、Gun Controller等と勘違いされるのが嫌なだけです、嘘です。省略形を使いまくっていると自分で何についていっているのかわかりにくくなるからです。まあ普段は「ゲームキューブ」と言っておりますのでGAMECUBEと表現するのに違和感が無いと言うことも大きな理由です。最大の理由は、このサイトのテキスト内容で省略形を使いまくっていると何がなんだかわからなくなってしまうからです。一般化している省略形(CPU等)は別としてマニアにしか通用しないような省略形や隠語は避けるようにしています。

ちなみに、「キューブ」と表現すると、ゲームキューブなのか、パソコンのベアボーンキットのキューブ型なのか、Mac G4 Cubeなのか聴いただけではわかりにくいため、そのような省略形は使いません。会話中であれば、話題や相手の嗜好を加味することでどれか区別がつくことが多いわけですが、誤解を避けたい時は省略形は使わないほうが良いでしょう。

参考リンク

製品情報:任天堂公式サイトよりスペック
ハードレビュー記事:後藤弘茂のWeekly海外ニュース 01/9/20 9/25 10/3

GAMECUBE、その形

その全体像

箱です。本体背後に持ち運びしやすいように取っ手がついております。据え置き型のゲーム機で取っ手が付いている物は、私が知る限りではゲームキューブが初めてです。任天堂公式サイトの上からの写真では本体上面が丸みを帯びているように見えますがだまされてはいけません、錯覚です。ライティングマジックと言う奴です。本体は一部の突起物を別とすれば平坦な板で構成される六面体です。任天堂ではゲームボーイ以来のソリッドなスタイルで、ゲームボーイアドバンスSPにも受け継がれているセンスです。

GAMECUBEのスペックに150x110x161(WxHxD/mm)とあるように非常に設置面積が少なくて済む大きさです。物理的な大きさではさすがにPCエンジンに及びませんが、ケーブル類を接続してみると両脇にケーブルを接続するPCエンジンよりも狭い場所に置くことが出来ます。実際には両サイドに吸排気スリットがあってこれをふさぐわけにもいきませんので、PCエンジンとは良い勝負でしょう。占有面積に関してはネオジオやメガドライブなど足元に及ず、任天堂の過去の据え置きタイプのゲーム機の中でももっとも小さく出来ています。

GAMECUBEの背の高さは110mmという数字で、増設無の単体のゲーム機(*2)としてはトップレベルの大きさです。過去にはPC-FXと言う桁違いに背高なゲーム機がありましたが、PC-FXの場合はパソコンで言えばタワー型にあたり、基板配置が縦というゲーム機としてはやや特殊なレイアウトになっているため背が高いのです。GAMECUBEもまた本体のレイアウトによる必然的な理由があって背が高くなっています。GAMECUBEのシステム基板は本体底面よりもやや高い位置に設置されています。システム基板下部は拡張用のコネクタとなっているのです。またシステム基板上に存在する各種プロセッサ(MPU"Gekko"やSystem LSI"Flipper")を冷却するためのファンがあり、その上に松下製の光ディスクドライブが鎮座しているのです。背の高さは設置面積とのトレードオフによって生まれたと言っても良いでしょう。実はNintendo64にカードリッジを装着するとGAMECUBEとさほど変らなくなります。この理屈ですと増設無のゲーム機単体でPC-FX以外でもっとも背が高くなるのはネオジオということになります、まあ余談ですが。と言うことはGAMECUBEは歴代の据え置きタイプのゲーム機の中でもPCエンジンに次いで占有容積が少なくてすむゲーム機と言ってよさそうです。

*2:過去にメガドライブ+メガCD+スーパー32Xなどと言う代物が存在していたし、他にもとんでもないアイテムを増設することで巨大化するゲーム機がありそうなので、増設していない単体のゲーム機を対象としました。

その上面

本体上面にはディスクドライブ装置へアクセスする蓋がついており、中央部は円形に黒いプラスティックがはめ込まれています。黒いプラスティックの中央に"N I N T E N D O GAMECUBE"と白くプリントされています。ドライブ装置の前方右に蓋開けボタンが、左にリセットスイッチがついております。左奥に電源スイッチがついており、このスイッチだけ本体カラーと異なるグレーに配色されていてアクセントになっています。リセットスイッチがついているのは任天堂製ゲーム機の伝統ですね。伝統を頑なに守り続けるあたりが京都人らしいところです。

その両サイド

本体の両サイドに吸排気用の格子状スリットがあります。スリットの真下に出っ張りがありますが、これは他のものを本体に貼り付けるように置いてスリットを埋めてしまわないようにと言う任天堂の配慮です。かつてMac G5 Cubeが本体上面に排気スリットを用意しましたが、一部のおろかなユーザーがスリットの役割を理解しないで(取説を読まない)スリットを本屋やCDケースなどでふさいでしまったため、熱暴走するトラブルが相次いだことがあります。GAMECUBUの場合は想定するユーザ層は子供が中心となっています。Mac G4 Cubeのユーザ(主に成人)ですら注意を守らないのですから子供に注意を促すのは無理というものです。注意を守らなくてGAMECUBEを壊すのは自業自得とも言えますが、お小遣いをためて買った子供にとって決して安いとはいえない本体を壊してしまい、サービスに修理以来が殺到するのを見るのは忍びない。出っ張りはこのような任天堂のやさしさがつまっているのです。やらしさではありませんのでご注意を。ちなみに本体右側から吸気し左側から排気しています。

その背面

背面には持ち運び用の取っ手の他、電源、スーパーファミコン互換AVアウト、デジタルAVアウトが存在しています。またこれらのコネクタの下部にも格子状のスリットが空いています。恐らく電源部の冷却用です。背面に取っ手を設けたことはコネクタ類を破損しないための予防処置だと思われます。従来のゲーム機では本体から引っ込んだところにあったコネクタを、小型化によって背面まで出てきたことに対する解決策ですね。これもまた任天堂のユーザに対する配慮でしょう。また取っ手は箱型形状になったことで本体を持ちにくくなった事に対する解決策としても機能しています。と言うかこちらが主な目的でコネクタの保護は後からついてきた効果なのでしょう。

その下面

3つの蓋があり、それぞれシリアルポートA、シリアルポートB、ハイスピードパラレルポートとなっています。これらに接続する周辺機器として、シリアルポートAにはモデムアダプタブロードバンドアダプタを、ハイスピードパラレルポートにはゲームボーイプレイヤーが発売されています(2004.06.23現在)。シリアルポートB用の周辺機器は、まだ存在しないようです。

その前面

グレーのパネルが本体前面よりも一回り小さくはめ込まれており、ここに4つのコントローラ端子が横一列に並んでいます。コントローラ端子はPCエンジンやドリームキャストと同じくらいの小ささでありますが、これらのゲーム機よりもコネクタが外れにくく安定してホールドしてくれますので接触不良を起こしにくくなっています。その一方ではずす時も、無理にこじらなくても簡単に抜くことが出来る構造になっていますので、端子を壊したりすることも少なくなっています。この様に誰にでも手軽に仕えるように配慮し、コストをかけている点が任天堂ゲーム機を安心して使える要因になっています。コントローラ端子の下部に2つのメモリーカードスロットが横に並んでいます。余談ですがメモリーカードスロットは背面の出力コネクタと同じ高さになっています。

その形状でネタです

スーパーファミコンが灰色の弁当箱、メガドライブ最拡張状態が三段鏡餅と呼ばれていましたが、GAMECUBEはなんと読んだらいいのでしょうか?。とりあえず思いついた候補をあげてみます。

どれもつまらないですね、みかん箱で良いか、私の持っているGAMECUBEはオレンジ色ですし。

その総評

シンプルな形状ですが、じっくりと観察すると細かいところに何をしでかすかわからないユーザの取り扱いに対する慎重さや、使いやすさへの配慮が見え隠れしています。5〜6年というスパンでゲーム機の世代交代をし、その間本体形状や仕様に対して基本的に大きな変更を加えない(*3)任天堂はゲームソフトだけでなく、本体のデザインにまでじっくりと煮詰めている姿勢がうかがえます。パソコンを始めとするハードウェアが雑居している私の部屋でもオレンジ色のボディが違和感なく溶け込んでいるのが意外ですらあります。

*3:例外としてNintendo64にピカチュウをあしらった本体バリエーションがありました。もっとも従来の本体形状も継続販売されていましたし、ボディ以外の仕様には全く手を加えられていませんでした。既に64DDが失敗に終わった後でもありましたし。

GAMECUBE そのコントローラ

ゲーム機にとって何よりも重要なのがコントローラです。過去に高い評価を得たコントローラと言えばサターンの純正パッドです。サターンの純正パッドはいまだに高い人気を誇っており、パソコン(Windows)でも使えるアダプタが発売されていたり、Mac用ゲームソフトにサターンと同デザインのUSBコントローラが付属すると言うだけで、購入を本気で検討する非MacユーザなWindowsユーザが存在したりします。コントローラは特にアクション性の強いゲームにおいてはゲームを望みのままに(あるいはその腕を十分に発揮するために)操作するための重要なデバイスとして認識されているからでしょう。

私はプレイステーションを早い時期に購入しています。しかしそのプレイステーションはほとんど利用されることがありません。私がプレイステーションのゲームをほとんどプレイせず、たまにプレイする時もジョイスティックを愛用しているのは、プレイステーションの純正コントローラに10年経った今でも慣れないままだからです。コントローラ一つがゲーム機の命を左右しかねない、任天堂もまたこれを十分に認識しているはずです(*4)。何よりもパッド用の方向デバイスとして今もなお使われている十字キーを開発したのは任天堂なのです。その任天堂がGAMECUBE用としてどのようなコントローラを用意したのか見てみましょう。

*4:横長のパッドの両サイドを両手でホールドし、左手親指で方向デバイスを右手親指で2つ(もしくはそれ以上)のボタンを叩くスタイルは任天堂がもたらした物です。このスタイルは過去のスティック状にこだわっていたゲーム機のコントローラよりもはるかに使いやすく指の負担が少なく邪魔にならず壊れにくく、しかもコストが安いというメリットを持っていました。このスタイルのデジタルパッドはその後の各社ゲーム機でも標準となり進化していきます。サターンの純正パッドはこのスタイルのデジタルパッドにおける使いやすさを突き詰めていった傑作でしょう。各人異論はあるかと思いますが、個人的にもっとも使いやすかったのです。

その形状

一見するとプレイステーション2の純正コントローラに似ているとも言えます。しかし実際にレバーやボタンの配列を見てみますと、むしろドリームキャスト純正コントローラ(更にさかのぼるとサターンのマルコン)に酷似しています。GAMECUBE用コントローラを開発するに当たって、自社の過去の製品も含めた各社のコントローラを徹底的に調べた結果なのでしょう。

GAMECUBE純正コントローラのデザインは、スーパーファミコンの純正コントローラをベースにグリップと2つの方向デバイス(十字キーとCスティック)用の張り出しを追加した感じになっています。スーパーファミコンでは十字キーに当たるポジションにはアナログレバー(コントロールスティック)が占めています。またグリップ形状ととCスティックの名称や色にNintendo64からの遺産が見え隠れしています。スーパーファミコンの頃まで存在していたSELECTボタンはNintendo64と同じように存在しません。どうやらSELECTボタンは任天堂ゲーム機の伝統から外れたようです。かつてファミコンの2Pコントローラについていたマイクと同じ運命をたどったわけです(*5)。

*5:もっともNintendo64においてマイクはピカチュウの力を得て復活を果たしました。

任天堂ゲーム機の象徴とも言える十字キーはGAMECUBEでは据え置きタイプとしてはもっとも小さな物に置き換わっています。そうゲームボーイの十字キーのサイズです。Nintendo64ではまだアナログレバー(3Dレバー)と同列の地位に保ち、初めて触る人間にコントローラを握らせると十字キーに左手親指が来るようなポジションを占めていたことを考えると、十字キーの存在はずいぶんと小さくなったものです。これもNintendo64では3Dレバーが多用され、十字キーの使用頻度が極端に少なくなっていったことを反映しているものでしょう。

右手側は大きなAボタンを取り囲むようにやや小さなB/X/Yの各ボタンが配置されています。X/YボタンはNintendo64で一旦廃止されましたが、GAMECUBEで復活を果たしました。ボタン類の下のほうに位置しているCスティックは左手側のコントロールスティックと同じアナログレバーですが、親指を当てる部分がやや小さくなっていて補助的役割での利用を想定しているようです。

L/Rは共にアナログトリガーとなっている点もドリームキャストと同じです。Rトリガールの上にやや小さなZトリガーがありますが、こちらはデジタルスイッチです。

その使用感

持ちやすさ

GAMECUBEのコントローラを持ってみると大人の手にもかかわらず良くなじみます。私よりもやや手の小さい中学生の男の子でも違和感なく持っているようですし、グリップのコンパクトさからすると小学生でも持ちやすいのではないでしょうか。小学生にはやや大きかったサターンやドリームキャストの純正パッドとは大違いです。このあたりにあらゆる人間が使いやすいコントローラを用意する任天堂の製品に対する職人気質を感じさせます。

重さ

手に持ってみるとやや重いと感じさせます。これはコントローラに内蔵されている振動機能のためでしょう。重いといってもNintendo64純正コントローラ+振動パックやドリームキャスト純正コントローラ+ビジュアルメモリ+振動パックよりは軽い感じです。実際に各々の重量を量ったわけではありませんが、仮にGAMECUBEのコントローラが実際に重かったとしても、それを感じさせないことのほうが大事なのです。同時にコントローラとしてバランスの取れた重量配分がされており、持ちやすいことの証でもあります。

メイン方向デバイス

GAMECUBEと似た配列を持っているドリームキャスト純正コントローラの場合は、持った時に左手の親指が自然にアナログレバーの近くに来る配置で、十字キーも親指を少しに下にスライドさせることで使えるようになっています。GAMECUBEのコントローラは手に持ってみると左手親指がまともにアナログレバーの位置に来るレイアウトになっています。アナログレバーよりもやや下の位置にある十字キーは、親指と人差し指を大きく開かないと届かない位置になっているのです。GAMECUBEにおいては十字キーに求められている機能はフライトシミュレータで使われるアナログスティックのハットキーと同じような補助的な地位に落ち着いたようです。

メインボタン

右手側の親指はもっとも大きなAボタンがホームポジションとなります。Aボタンを軸として周りをスライドさせればB/X/Yボタンを押すことが出来ます。この変則的な配列が、実は非常に使いやすいように考えられているのです。右手親指を大きく開くとCスティックを操作することが出来ます。十字キーにしても同じ事が言えますが、人差し指と親指が大きく開くためホールドしにくくなります。そのためこれらのデバイスは補助操作的な使い方がメインとなります。これら十字キーとCスティックを頻繁に操作させるようなゲームは操作系を見直す必要があるということでもあります。

ハットスイッチ

コントロールスティックやCスティックは8角形の枠に囲まれており、レバーを8角形の角に当たる部分に押し付ければ、その方向にレバーを倒したまま維持することが可能になっています。これはNintendo64の頃から受け継がれている設計で、このような小さなポイントがアナログレバーでもキャラクターをスムーズに操作することを可能にしているのです。他社コントローラでこれを真似しているのは見たことがありませんが、特許にかかわる問題なのでしょうか?。

その総評

任天堂の歴代コントローラの中でももっとも使いやすいコントローラです。そればかりでなく私がこれまで触れてきたあらゆるゲーム用パッドの中でも、アナログ系コントローラとしてもっとも使いやすいコントローラだと思います。デジタル方向デバイスだけはサターン純正パッドに敵わないのですが、GAMECUBEではデジタル方向デバイスを重視しない方針ともいえますので、単一のゲーム機専用パッドとしては紛れもなく傑作と言えるでしょう。

機能だけでなく、持ちやすさ使いやすさ等あらゆる面で任天堂のコントローラは進化していきます。過去に得た経験と捨て去ることなく蓄積し、それを新しいハードに反映する姿勢は他のメーカには見当たらない長所です。

GAMECUBE その性能

ゲーム機にとって表現力を左右するのがグラフィックとサウンドの性能です。GAMECUBEではこれらの機能はATI製システムLSIチップ"Flipper"に集約されています。これらについては後藤弘茂さんの記事(01/9/20 9/25 10/3)にわかりやすく解説されていますのでこれを参照するのが良いでしょう。

私が注目するのは松下電器産業 光ディスク テクノロジーを利用したソフトウェアの供給体制です。CD-ROMやDVD-ROMとはフォーマットが異なっており互換性が無いので読み込みには特殊なドライブ(ほぼ専用ドライブだな)が必要になります。このメディアの読み込みに対応する特殊なドライブを搭載する安価で代表的な機器と言えば……GAMECUBEでしょう。ここに任天堂の自社の利益を損なう違法コピーに対する姿勢が現れています。コピーされまくったらもはや開発費も出ませんからね。このあたり過去にスペースインベーダーのコピー基板を製造していただけのことはあります。かつての教訓を忠実に守り、自社の利益を追求することで最終的にユーザの利益に繋げるわけです。等と言ってみましたが、それだとスーパーファミコン末期のROMカートリッジの馬鹿高さは説明できないよな。結局のところ、おとなしくなったかつての業界ガリバーなのでしょう。

ところで、実際に1080 Silver Stormをプレイしていて「やっぱATIの癖が出てるなあ」と思ったポイントがあります。それはZバッファが時々おかしくなるところがあると言う点でしょう。わかりやすいところではゴール後にプレイヤーキャラクターがボードを持ち上げるシーン。ここでキャラクターの指がボードを突き抜けてしまっています。ボードと指が接近した結果、Flipperが前後の判定を正しく行えなかった結果でしょう。ATI製グラフィックチップのWindowsドライバでも時々見られた現象だったりします(*6)。今はどうなっているのか知りませんがドライバもよくなってきたそうですので改善されているのかも。

*6:同じゲームでもVoodoo系ではそのような現象は見られませんでした。もっともVoodoo3あたりですと扱えるテクスチャサイズが小さいため十分に張れていなかったり、Voodoo4/5でもテクスチャ合成が出来なかったりしました。最もこれはビデオチップの仕様による制限であり、ドライバの不具合とは別の次元でした。Geforce系ではそういった不具合は見ていませんねえ。ゲーム開発でのリファレンスとして利用されているからでしょうか?。……GAMECUBEではリファレンスも何もFlipperしかないのですがね。

GAMECUBE その総評

開発している時点からコストを下げれるところは徹底的に下げ、品質のクオリティを高める努力をしそのための開発コストを惜しまない、そんな任天堂の姿勢がこのGAMECUBEにも良く現れています。年少者をターゲットとしつつ成人ユーザをも視野に入れたデザイン/設計は、ファミコン以来の蓄積もあって職人芸ともいえる領域に達しています。他社の初期ロット製品で発生するような不具合(*7)は任天堂製品ではあまり見かけませんし、仮に発生すれば迅速に公表して改修に取り掛かることでしょう。任天堂にはそんな信頼感があります。これだけは任天堂嫌いでも認めてくれることでしょう(*8)。

*7:不具合といえば初期のゲームギアは液晶画面に欠陥を抱えており、電磁波に対して非常に弱いものでした。TVに少し近づけただけでも横線ノイズが発生するのが当たり前という、今の時代では考えられない物です。特に私の固体は状態が酷く、TVからかなり離れているにもかかわらずノイズが絶えず発生していました。購入したショップに持っていって状態を確認してもらったのですが、このときの親父の対応が凄い。実際にデモ機のTVに近づけて「こういう仕様だ」と私に見せつけたのです。こりゃあかんと悟った私は二度とその店に行かないことにしたわけですが。この問題についてセガから問屋を通じてショップに対応策が伝えられていたのかまで知りませんが、この苦情に対してはこう対応せよとマニュアルがあったとしてもおかしくないような素早さでした。本当に発売してから間もない時期にです。
後にゲームギアの液晶画面は改善され、私が手に入れた後期のゲームギア本体の液晶部は初期ロットがボディとフラットなラインを描いていたのに対して、後期ロットではボディから一段盛り上がった形状に変更されていました。液晶部のノイズ対策を行うと共に液晶ユニットそのものが変更されているような気もしますが、分解した事が無いのでこの点は不明です。まあ、セガも初期ゲームギアの欠陥についてはよーく承知していたという証なわけですが。しかし製品の抱える欠陥と初期不良が思いっきり被ると泣きを見る羽目になるという良い例ですね。それでもサターンとドリームキャストは初期ロットを買っている辺り懲りていないというかなんと言うか。

*8:その昔、私(ALF)は生粋のメガドライバーでありアンチ任天堂でした。なにしろ当事の任天堂ときたら業界のガリバーなのをいいことにすきほうだいしていた印象が強かったものですから。おそらくその体質は今でも変っていないのでしょうが、すでにガリバーではなくなっていることで表に現れないのでしょう。山内語録は昔から好きですけどね、その時の自分に都合よく発言しているだけな気がしますが、自分にも跳ね返ってきかねないところに面白さと危うさがあります。核心を突く発言も多くそのせいもあって目を話せません。


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